民主主義と宗教 2018 11 18

書名 アメリカに敗れ去る中国
著者 日高 義樹  徳間書店

 著者は、こう言います。
トランプ大統領による中国に対する経済戦争の目的は、
国営企業を基盤とする不正な経済体制を改めさせること、
先端技術など知的財産の盗用をやめさせること、
中国に偏向している世界貿易機関「WTO」を改革することである。
 しかし、アメリカのマスコミや評論家は、
トランプ氏を毛嫌いしているために、
大統領が、なぜ中国を相手に経済戦争を戦っているのか、
見極めようとしない。
(引用、以上)
 トランプ氏の真意がマスコミや評論家に伝わらないのは、
「ツイッター」を政策発表の場に使っているからでしょう。
やはり、ツイッターでは、「言葉足らず」となってしまいます。
 冒頭で、攻撃的な言葉を使っても、
その理由を丁寧に説明していけば、
マスコミも評論家も理解してくれます。
しかし、ツイッターでは、字数が足りなくなります。
 トランプ氏の「短すぎて攻撃的な言葉」は、
あるいは、意味不明な言葉は、好意的に考えれば、
「禅」の「問答」のようなものかもしれません。
弟子「先生、私は、こういう悟りを得ました」
師匠「廊下の掃除は終わったのか」
 これでは、会話が成り立っていません。
悟りのきっかけを見つけて喜ぶ弟子に対して、
師匠の言葉は、意味不明と言えるかもしれません。
 しかし、禅における問答としては正しいのです。
若い修行者は、悟りの前に、
掃除という日常茶飯事のことが正確かつ確実にできているかが重要です。
 こうした日常茶飯事のことがまともにできていないのに、
悟りを言う資格はないと師匠は言いたかったのでしょう。
 似たような会話は、映画のスターウォーズで、
ジェダイ・マスターのヨーダにも、そういう問答があります。
 しかしながら、民主主義は、「禅」ではありません。
民主主義は、説明することが重要です。
根気よく説明していくのが民主主義です。
 さて、詩人ならば、短い言葉でも相手に伝わるでしょう。
イエスキリストは、詩人でした。
 クリスマスが近いので、キリスト教のことを書きましょう。
イエスキリストは、こう言います。
「大きな者は小さくされ、小さな者は大きくされる」
 キリスト教徒ならば、死んで天国に行けば、
イエスキリストに会えるかもしれません。
 その時、多くの者は、イエスに対して、
「私は、社長になった。金持ちになった」と言うかもしれません。
 しかし、イエスは、こう聞くでしょう。
「より多くの者を愛しましたか」
 イエスキリストは、最後を迎える時に、
弟子たちは、すべて逃げてしまい、一人になってしまいました。
つまり、最も小さな人になったのです。
しかし、今や、数十億人の人々から信仰を集めています。
 現代においては、科学技術が発達して、
先進国においては、世俗的な人々が増えましたが、
国家の「背骨」の役割を果たすのは、宗教です。
アメリカでは、キリスト教が国家の「背骨」となります。



























































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